母は散骨を望みまして

昨年末、祖母が一周忌を迎え納骨をした。富士宮にあるお墓だ。弟夫婦に車を出してもらって長い道のりをたどって行ってきた。ま、この時にもものすごいエピソードがあるのだけど、それはまた別の機会に書こう。


母はというと、私と弟への遺言として「墓はいらない」と言っていた。例えば祖父母の墓には今、祖父と祖母しかいない。我々まではわかっていても、姪や甥の代になったら「おじーちゃんてどんな人なんだろうね」ということになる。その子供の代になったら「このおじーちゃんとおばーちゃんてどんな人なんだろ」ということになる。さらにその子供の代になれば「この人誰?」ということになる。母は曾孫や玄孫の代になってまで自分のお墓を守ってもらうのは申し訳ないと言っていた。

だから母は「最後は骨を海に撒いて欲しい」と希望していた。

自分を知らない代になってまでお墓参りにこさせる必要はないし、そもそも弟にお墓を建てさせるのも、みんなにいちいちお参りにこさせるのも悪いじゃんと言っていた。それよりなにより、自分の骨が撒かれた場所をフラッと訪れた時に、家族も親戚も、近所の人でも、「そういえば・・・」って思い出してくれれば満足なのだそうだ。

母が亡くなり、早速弟は散骨の計画を立てた。

まずは海洋散骨のできる会社をネットで探す。今は海洋散骨を希望する人は多いようで、予約状況などのぞくと結構満席となっている日が多い。しかし我々の一番大事なのは日程ではない。人数だ。何せ近しい親戚だけで25人を超えるわけで、乗合では散骨できない、乗り切れない。うちの親戚軍団だけで貸切でチャーターしなければならない。金額もなかなかのコースになるだろうが、弟は貸切で散骨ができるように頑張った。

そのサービスの中に含まれるのだけれど、まずは母のお骨を持ち込んで粉骨をしてもらう。それを水に溶ける紙に小分けにしてもらう。船に乗り込み横浜港沖に出て散骨エリアに到達すると参加者皆が海に流すのだ。一般的な納骨の日と同じように、集まった人達は食事を摂る。散骨後には船の中で食事やお酒を楽しむこともできる。

また親戚軍団が集まってひと盛り上がりするね。楽しい時間が過ごせると思う。これが母が一番望んだ散骨式だ。さて、当日はどんな感じになるのか。海洋散骨が初めての私も、結構楽しみだった。

そしてもう一つ母が望んだこと。

うちには休みなく生き物がいた。猫とは相性が悪いんだけど、犬は代々元気に育ってくれていた。母が最後に飼ったのはトイプードル。母や祖母より一足先に亡くなった。とは言え小型犬の中では長生きだったと思う。17歳まで頑張ってくれた。

そのトイプードルに母は、「○○ちゃん(犬の名)が最後の子だから」と言っていた。自分が歳をとってきて世話をするのが大変になるから、この子が最後だという意味だ。だからなのか、母は今までの子以上にそのトイプードルを可愛がっていた。

「○○ちゃん(犬の名)も一緒に海に流して欲しい」

それが母のもう一つの望みだ。つまりその望みを叶えるためには、その犬のお骨も粉骨してもらわなければいけない。そちらは私が担当し、サイトを調べて「宅配粉骨」ってやつを依頼した。

申し込むと箱が届いて、その中に骨壷を入れて送る。1週間ほど待つと綺麗に粉骨された粉のお骨が戻ってくる。母の海洋散骨の際に一緒に流すから、やはり水に溶ける紙に包まれて小分けにされて戻ってくるのだ。元の骨と粉骨後のパウダーの両方の写真が付属されていて、粉骨前と後の質量まで表記してある、そんな流れのサービスだ。写真での確認だけど、本当にキラキラして綺麗なパウダーにしてもらった。

散骨式当日、トイプードルの4つに小分けされたお骨パウダーは、私と義妹と姪甥で母のお骨と一緒に流した。これで母の生前の望みは叶えられたというわけだ。


親戚軍団初めての散骨式。さてどうなることやら。散骨式当日の詳細は数日後に書く。(春期講習が終わるまでお待ちください)

この経験で、私の葬式はどうして欲しいかいろいろ考えてみたりした。最後はやっぱり散骨がいいなと思ったのだが、葬式や散骨式やらわざわざみんなに集まってもらうのもどうだろうと思って、「インスタライブ開催」はどうかと提案してみた。御霊前はナゲセンでいいし。

そうなると全員集合じゃないから記念の集合写真は撮れないけど、葬式や散骨式の現場に参加する人がその風景をVR撮影してもらって、後でいつでも楽しめるような感じでもいいかな、と。お返しはpaypayポイントとかLINEポイントとか?

タイトルとURLをコピーしました